受け身という言葉がありますよね。
意味は「自分から何かを働きかけるのではなく、相手からの働きかけを待つ状態」です。
その反対は主体性がある、自分ごと化をする、当事者意識を持つといった状態です。
こうして意味を見ると「自分は受け身ではない」と思う人が多いかと思いますが、もう少し深堀りすると「実は自分も受け身だった」ということがたまにあります。
よくあるのが人間関係ですが、仕事においても受け身は避けたほうがベターです。
受け身でも仕事はできるけれど、主体性や当事者意識を持ったほうがストレスが減るという感覚ですね。
特に他人に対して「〜してくれない」「どうすれば良いの?」「〇〇さんがこう言っていたから」といった言動を感じた、したことがある人は受け身に当てはまると思います。
とはいえ、自分が受け身なのか? 主体性を持つってどういうこと? など、なかなかイメージしにくい部分もあるはず。
そこで今回は受け身の状態、主体性を持つべきシーンなどを解説します。
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もくじ
受け身ってどういう状態?
まず受け身ってどんな状態なのでしょうか。「相手からの働きかけを待つ状態」なので、自分から提案しない、気になることがあっても言わないといったことが思い浮かびそうです。
これは相手との関係性、シーンなどいろいろありますが、パッと思い浮かぶのはこのあたりですね。
<仕事>
- やりたいことを主張しない
- 相手からお願いされたことに対し、不満・文句だけを持つ
- 相手の背景・状態を知ろうとしない
- 否定はするまたは文句は言うけれど、改善案を出さない
- 自分のなかでの撤退ラインを決めていないがために、不満を持つことを続ける
- 決めない、決断を相手に委ねる
<人間関係>
- 遊びに行きたいのに自分からは誘わない
- してほしいことを言わないまたは察してもらおうとする
抽象的でわかりにくいかもしれませんが、こんな感じでしょうか。
要は「やってほしいことがあるけれど、自分から明確に主張はしない」といった状態です。
別に言えば良いと思うんですよね。もちろん相手との関係性やタイミングは見きわめないといけませんが、一度言ってみる。
それを受け止めるかは相手の問題なのでどうなるかはわかりません。
ただ「それはダメ」「今はできない」と言われたら、次に「じゃあここまでは?」「こういうのは?」と落とし所を探ることはできます。
むしろ、落とし所のすり合わせはお互いする権利があるので、コミュニケーションにおいて必須です。
物事は交渉・すり合わせなので、一度言ってみる主体性を持って、ダメだったらまた解決策を探そうという気持ちはあって損はないと思います。多くの人が「一度言うこと」はある程度できるけれど、その後の交渉を諦めてしまうのでもったいないなと感じる部分です。
話がそれましたが、なにかしてほしいことがあるのに言わない、また不満を持ち続けるけれどその現状を変えようとしない、相手になんとかしようとしてもらう。
つまり、解決を他人に委ねることこそが受け身なんだと思います。
交渉の前に自分のアウトプットは確認すること
ただし交渉の前に、仕事であれば「自分は相手の求めるものを提供できているか?」を自分に問うことは忘れないでほしいと思います。
不満を抱くと「料金が低い」「こんな金額でこの量はできない」といった気持ちが出ることがありますが、なぜ金額が上がらないのか? は考えてみてほしいです。
自分が求められるものを提供できていないから修正が増えて工数がかかっている、自分の仕事のやり方が微妙だから作業が減らない。その可能性もあります。
それを考えずに「作業量が多いから料金を上げてほしい」といった交渉のフェーズに入ると、高確率で失敗します。多くの人がこの「自分の要望を言う」ことはできるけれど、相手の事情を顧みない、突発的な交渉の仕方を取りがちだな、と。
交渉の前に自分の要望を通しやすくするための、いろいろとすり合わせるフェーズが必要で、それもコミュニケーション力が試される場面です。
同時に、相手に伝わるような、相手が受け止めやすい言い方をするのも大事。とりあえず言えば良い、と解釈してしまう人は多いですが、「ただ言うだけ」は少し違います。
そういう「どうすればこの交渉がうまくいくか?」と考えること、また「どこまで交渉を続け、どこで撤退するか?」と見切りラインを付けておくことも主体性を持つからこそ生まれる視点かもしれません。
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受け身を辞めると実は仕事の工数は減る
今回受け身について書こうと思ったのは、これが「仕事の工数削減」に大きな影響を与えるからです。
先ほど解決を相手に委ねることが問題だと書きましたが、これを仕事でするとどうなるか。相手が動かない限りその問題は解決しないため、自分が抱えている問題や不満、悩みも相手がアクションを起こさない限り解決しません。
これでは自分はずっと不満を抱えて仕事をすることになります。
そうするとどうなるか。
不満がある、つまり「やりたくない」「なんで自分がこんなことをしないといけないんだ」という気持ちで作業をするため、おそらく良いアウトプットは出せません。
作業が雑になり、例えばライターであれば誤字脱字が増える、事実確認があいまいなまま提出してしまうなどです。
両者の間になにかがあったとしても、仕事の評価や継続はアウトプットの質で決まる部分もあります。フリーランスであればなおさら。ライターは特に、質の判断をしやすく、継続可否の判断材料にもなります。
そのアウトプットを見た相手は、おそらくあなたに良い印象を抱かないでしょう。
主体性を持つと疑問が減り、メンタルも安定する
でも逆に主体性を持っていたら?
例えばあなたの抱えている不満が「相手の指示があいまい」「抽象的で何を求められているのかわからない」だったとしましょう。なんか、リアルにありそうですね。ベンチャーあるあるですね。
そういうとき、主体性を持った状態だと「これはどういう目的ですか?」と聞くことができます。もう少し上級者になると、自分である程度の目星を付けて「これってこういう解釈で合っていますか?」と質問するような形です。
またその結果「自分はこういう相手のほうが仕事がしやすい」「〇〇円以下の仕事は受けない」といった自分なりの判断軸を持つこともできます。
自分の疑問を解消することは、受け身を辞める第一歩。
疑問は不満に変わりやすい部分のため、その疑問さえ解消できれば不必要なストレスを抱えることが減り、メンタルが安定します。
コミュニケーション力も試される
先ほど説明したように受け身ゆえにアウトプットが雑になった場合、相手から見たときにあなたのその行動の意図(なぜ)がわかりません。
こういうときに大事なのがコミュニケーション。
話は若干ズレますが、自分の雑なアウトプットという行動の意図が単純に体調不良とかであれば、言ってしまったほうが良いと思います。相手も「体調不良か!」「ならば仕方ない」と納得でき、不必要にあなたに不信感を抱く、責めるといったムーブをしなくて済むのです。
反対に、こういうとき相手(クライアント側)が「アウトプットがいつもより微妙だったのですが、なにかありましたか? 体調不良とかですか?」と聞くことも受け身を辞める第一歩であり、コミュニケーションだと感じます。
決めつけない、ということですかね。
だから他人に対して「どうしたんだろう?」「なんでだろう?」と興味を持てる人は強いんだと思います。
傾聴力の正体は質問力やと思うねんなあ。そして質問をするためにも、人に興味を持っていること。質問は相手に興味がないと出てこないし、興味があるから話を聞く姿勢にもなる。人のこと好きな人がいちばん自然で強い⚡️
— あゆちき🐥🔥ゆるいライティング講師 (@ayuchiki_2) September 14, 2023
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受け身ではなく、主体性を発揮すべきシーン
ここまで受け身について解説しました。では具体的にどんなシーンで受け身をやめることを意識すれば良いのか? までわかったほうがきっと行動に落とし込みやすいです。
すでに答えを書いているような気もしますが、例えば次の通りです。
- 仕事でわからないことがあるとき
- 相手の意図・背景が見えないとき
- 自分でやりたいことがあるとき
ざっくりこんな感じでしょうか。
取り組みやすいのは「仕事でわからないことがあるとき」ですね。「これってどういうことですか?」「こういう解釈で合っていますか?」と、まずは聞いてみましょう。
質問しにくい……という場合は「理解しきれておらず申し訳ないのですが」など、枕詞を付ければOKです。
最終的には「〇〇でいこうと思うのですが、問題ないですか?」と、自ら提案できるようになるとベストですね。
こういう質問をすると「そこに書いているでしょ?」「説明したじゃん」と言う人もたまにいますが、その場合は相手のことを「雑魚だな」くらいに思っておけば良いです。
もちろんきれいに説明された上で質問していたら反省すべきですが、わからないから聞いている訳で。それは相手の伝え方、表現方法にもなにかしらの課題があるはず。また単純にコミュニケーションで埋め合わせをすれば良いだけの、小さな問題のはずです。
それは準備不足を受け止めきれない、または質問を指摘と捉えてしまう相手の問題なので、雑魚か器の小さい人間だと思えば良いです。人間1回目とかなんだと思います。
たぶん正解を探していることが原因
ここまで受け身の状態や主体性の持ち方を解説しましたが、人はどうして受け身になってしまうのだろうと考えました。
たぶん、正解を探していることが原因なんだと思います。
仕事であれば間違えたくない、相手がどんな人かわからないから受け入れてもらえるかわからない。友だち・恋愛関係であれば自分を受け入れてもらえるかわからないから、嫌われたくない。この一挙一動でマイナスポイントを溜めたくない。
そんな感じではないでしょうか。
でも自分が動かない限り、その関係性は深まらないんですよね。関係性が深まらなければ、仕事が増える可能性も、その相手と仲良くなる可能性も一向に上がりません。
失敗する可能性もあるけれど、失敗したら次はまた別のやり方を試せば良い。
何よりも、自分がどうしたいか? を基準に考えるのが重要。
同時に正解を見つけることではなく、失敗したあとに軌道修正をする力を身に付けることが必要なことでは? と思うのでした。
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人生、そんなシンデレラみたいなストーリーは起きん
どうして受け身の人は受け身になるんだろうと考えたのですが、きっと、どこかに「他人がなんとかしてくれる」という気持ちがあるんだと思います。
もしくは仕事であれば、どことなく「これは自分の責任ではない」という気持ちがあるのかもしれません。
仕事は依頼される側だったり、自分は部下だから上長を立てたほうが良いという気持ちがあったり、いろいろな事情があって、全員が当事者意識を持つのは難しいですが……
でも、自分の人生は自分でしか切り開けません。毎日の小さな決断ができない人に、人生の大きな決断はできません。
他人がなんとかしてくれることはないし、自分が動かないと何も進まないものです。
シンデレラみたいなストーリー、あれが起きるのはかなりレアです。前世で国を救うくらいしていないとたぶん無理ですね。
決断こそ、責任を取るということ。
だから小さいもので良いから、まずは日々に紛れ込む自分ができる範囲の決断を増やしてみてください。
それが少しずつ積み重なると、自然と受け身ではなくなっているのかなあと感じます。
自分のやりたいことくらい、自分で責任取っていきましょう!
というか、よくよく考えたらシンデレラもお城の舞踏会には自分で行くって決めていますし、靴が合うか試すというアクションもちゃんと起こしていますからね。よくよく考えたらあいつ全然受け身じゃない。策士の可能性すらある。
ライティング講座でいちばん発している言葉、「腹をくくりなさい」な気がしてきた
でも自分の人生は自分でしか責任を取れないし、他人がなんとかしてくれる訳でもないから、やると決めてやるしかないのよ。失敗は怖いけれど、学ぶことはあるから実質失敗どころかめちゃくちゃ良き経験だったりするよ☁️
— あゆちき🐥🔥ゆるいライティング講師 (@ayuchiki_2) March 5, 2022
自分の性格を分析し、より良い働き方を知りたいと思ったら
受け身より主体性のある人間のほうが生きやすくなりそう。ここまでを読んでそう思ってもらえたらうれしいです。
でも、いったいどうやって受け身から変われば良いんだろう? そもそも、自分のどこが受け身なんだろう? と感じた人もいるのではないでしょうか。
受け身になってしまう理由はいろいろあると思います。そもそも、自分が受け身だと気づいていなければそれを是正することはできません。
自分なりに考えて突き進むこともできますが、第三者に客観視してもらいながら、アドバイスをもらいながら自己分析をするほうが、大きく間違って失敗することがありません。
また自分の性格や受け身になる理由がわかっても「この方法で良いのかな……」と、都度不安も生まれます。そのようなときに、小さい不安を確認し、軌道修正してくれるサポーターのような人が近くにいると、安心して突き進むことができます。
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